昼間の部．カシワマイマイ．マメドクガ．

　完全連休．呼び出しでもこない限り（くるかもしれない…）職場になぞ行かない決意．よほど自分をしっかり持たないと，ふらふらとサービス出勤してしまいかねない．

　天候はすこぶる振るわない．苫小牧ではもう何週間かは青空を見ていないのではないだろうか．今日も降ったり霧雨になったりガスになったり．
　１１時頃，コンビニにアルコールを求めて．
　残り蛾がいた．家に引き返してカメラを取ってくる．酔狂な話である．

　カシワマイマイの♂．２cmほど．

　とりあえず移動．少しイヤイヤしたが手に乗ってくる．腹は安っぽい山吹色．
　正面から．

　オートフォーカスで片手撮りしたもの．絞りを固定したままでフラッシュを焚いたので背景が真っ暗に．壁を後ろにすればよかった．

　せっかくだから勉強しておこう．とは言っても関心は生態に向かない．文系の悲しさだが，泡沫ブログなりの生き残り戦略だと思ってくれれば幸いである．
　学名は Lymantria mathura aurora ．属名は「破壊者」から．
　種小名は，インドの地名「マトゥラー」からだろう（Wiki「マテゥラー」参照）．講談社『大図鑑』を調べると，インドにも分布していて，しかも命名者は学名にしばしばインド由来の語を用いるムーアである．状況証拠としてはこれぐらいで充分だと思う．
　日本亜種の亜種名は「曙光」あるいは「東方」である．前者の意味合いだと面白いのだが，きっと後者．

　もう１頭．見覚えがあるけど名前が出てこない．人間に対しては逆のことが多い．
　絞り・露出も自動にしたので，絞りが開いてピントが甘くなった．

　帰宅後にネットを見返して，マメドクガ．２cmくらい．
　これも移動．もたもたしていると店員のおねえさんに水をかけられて掃除されてしまう．ドクガ科なのは分かっていたが，毒はないに決まっているので手乗りに．
　右手の人差し指に乗ってしまったので撮れず．

　学名は Cifuna locuples confusa ．属名は全然分からない．ヽ(´Ａ`)ﾉｵﾃｱｹﾞｰ．
　種小名は「豊かな」．亜種名は「混乱した」．深読みしても仕方ないところ．
　台湾のサイトを幾つか見ると，「腎毒蛾」と呼ばれている．（まさかキドニービーンズは関係ないよね）．

　ついでにカシワマイマイも探してみると「櫟毒蛾」である．彼の地には「マイマイガ」というカテゴリーがなく，すべて「ドクガ」であるようだ．
　もしも日本で「マイマイガ」が「マイマイドクガ」という名称であったりしたならば，人々の駆除圧力は一層強くなっただろう．「マイマイガ」でまだ良かった．
　成虫が有毒な蛾はほんの数種しかいないことを，義務教育は教えなければならない．モンシロチョウがキャベツを食べる青虫であることよりも，そちらの方がはるかに有益な知識だと思う．まして苫小牧で見かけるのはオオモンシロチョウの幼虫ばかりである（これも教えた方がいいな）．

　２頭とも建物裏手の空き地の草原に放す．あとは君たちで勝手にしなさい．