ナミシャク特集(6),ハガタナミシャク.

 オフの企画では,できる限り未掲載画像を使うようにしている.だが,その本質は没画像復活でしかない.ピンぼけ,露出ミス,バックのコントラスト不良….これらは当方の責任.
 これら以外に「蛾が擦れている」がある.これは蛾の責任である.擦れていたってそこには美しさがある,と強弁するのは精神がアチラに逝きかかっているところの理想論である.やっぱり新鮮な個体にかなわないのは仕方ない.


 ハガタナミシャクは出会う機会が多い.特徴的な模様なので,野外の現場では印象の強い蛾である.
 没画像をチェックすると,今一つのものがほとんど.蛾が古い.

 08年08月18日.前翅長21mm.うーん,擦れっぽい.

 08年08月31日.これは後縁の痛みまで入っている.


 新鮮であるとおぼしき個体.再掲である.

 07年09月01日.前翅長18mm.翅が尖って見えるのは,斜めに少し翅を閉じ気味にしているからである.
 第1印象が大分違うぞ….


 図鑑には顕著な記述なし.


 要するに

  1. 前翅長が2cm前後と大型で(例えば前回のアミメ系は15mmほど)
  2. 根元側の白帯が強く蛇行し
  3. それが外縁側の帯と繋がりたがっている

 とハガタナミシャクなのだと思われる.


 学名は Eustroma melancholicum melancholicum .
 属名は前回と同じ「良いベッド掛け」.中性名詞である.
 種小名は「メランコリックな」.これは文化の厚みのある概念である.Wiki「メランコリー」を参照されたい.この蛾は「メランコリア」の名を負った蛾として記憶されてよい.
 さて,どういう和名にしようか.「フサギシキモノナミシャク」とか.