ナミシャク特集(9),アトクロナミシャク.

 まだ続く,同系統ナミシャク.ナミシャクとはこういうものばかりだと思ったら大間違いで,もっと地味なのも沢山いるのである.


 温泉看板のライトほぼ直下なので上手く撮れていない(言い訳).

 アトクロナミシャク.13mm.07年08月28日.
 同日に[虫撮記]で貼った時には「アトクロ」か「チビアトクロ」か保留した蛾.本記事では「アトクロナミシャク」に確定する.
 すなわち講談社『蛾類大図鑑』p.483で,

(アトクロナミシャク)
本種では♂の触角は鋸歯状で短い櫛歯がある.

(チビアトクロナミシャク)
♂の触角は鋸歯状だが,はっきりした櫛歯がない.一般に前種より小型で,前翅の内方と外方にあるこまかい横線がほとんど黄色みをおびない.中央の黒色部の外縁はM2付近で前種(引用者註:アトクロナミシャク)では強くへこむか内方に突起をなすことが多いが,本種ではへこみが弱いかまったくへこまないことが多い

 色味はライト直下の撮りなので当てにならない.
 ということで「黒色部外縁のへこみ」で判断した.大きく出っ張っている箇所から前縁へ走るラインが,少し余分に食い込んでから持ち直して前縁へ向かっているのが見られる(と思う).
 このラインの相違については,保育社本,北隆館本では触れられていない.


 触角は比較対象できないので判断材料にならないのだが,一応トリミングしてみる.

 櫛歯といえば櫛歯かもしれない.


 アトクロナミシャクの学名は Lampropteryx minna .
 属名は「lampros 輝く,明るい」+「pteryx 翅」.どうなのだろうか.この属の模式種とおぼしき「ヒダカアトクロナミシャク Lampropteryx suffumata」にしてもあまり輝いているとは見えないのだが(「Lepidoptera and some other life forms」の「Lampropteryx」の項参照).
 種小名は全然分からない.あれこれ推測を書くのでご笑覧のほどを.

  1. ラテン語「minus より小さい」の女性形にnをダブらせたもの.※間違い.女性形は「minor」だった.「minus」に該当する語は「なめらかな」の意味である.
  2. 「mima」の誤記.「女道化役者」の意になる.
  3. 何か固有名詞から.エジプトの神の「Min」だったりすると面白い.

 どなたかご教示いただければ幸いです.


 ※いよいよ,Jaegerの本を買わないとダメかなあ.amazonだとクレカを作らないといけない.( ゚Д゚)マンドクセー.