ナミシャク特集(11),ツマキナカジロナミシャク.

 今回は,これ.

 寄る.

 ツマキナカジロナミシャク.08年10月10日.測定漏れ.


 あまり「ナカジロ」には見えないが,講談社『蛾類大図鑑』ではこう.

かなり変異性に富む種だが,一般に前翅基部に近い赤褐色帯は明瞭,それより外は広く黒色をおびることが多く,外横線の外側の赤褐色帯も明瞭.翅の中央部の白い個体は主に♀に見出される
(p.487)

 偽りあり,ということではないようである.だが,上手い命名とも思えない.


 学名は Dysstroma citratum nyiwonis .
 属名は「dys- (英語なら dis.否定的な意味を表す接頭辞)」+「strōma 敷物」.だから「汚れ絨毯」というところだろう,あちらの人間はこのタイプの蛾はすべてカーペットに見えるらしい.
 種小名は「シトラスの,柑橘類の」.食草… ではないはずだが.和名でも学名でも植物名を負った蛾は結構いるが,適切な食草を表示しているとはしばしば思えないのは和名でも学名でも同じである.
 亜種名は「nyiwoの」.ネットサーフィンで散々探して,どうやらチベットの地名らしい.本来の発音も漢字表記もわからない.