ナミシャク特集(25),キスジハイイロナミシャク.

 そういえば,画像サイトの「Flickr」をproアカウントにした.結局「はてなfotolife」はわたしには使いにくかった.


 今回は Hydrelia 属の3頭目.これでこの属の手持ちは終わり.
キスジハイイロナミシャク Hydrelia sylvata
 キスジハイイロナミシャク.08年06月28日.前翅長14mm.
 「みんな蛾」をめくっていって偶然同定できた蛾.これ以上特徴がなくなると同定不能になるギリギリの模様である.
キスジハイイロナミシャク Hydrelia sylvata
 08年07月06日.前翅長12mm.


 キスジハイイロナミシャクの学名は Hydrelia sylvata .
 属名は「湿ったもの」.種小名は「silva 森」+「-atus」.


 英国のサイト「UK Moths」に出ていると英名が分かる.「Waved Carpet Hydrelia sylvata」.
 「Waved Carpet」だから,どうも英国人は地味な蛾を見ると決まって「絨毯,敷物」を連想するらしい.一般の日本人はカーペットのことを考えている時間などは日常的には皆無だろうが,西欧人は1日のかなりの時間を敷物に関する思索に費やしているらしい.
 せっかくだからオンライン翻訳.例によって「Google翻訳」と「YAHOO!翻訳」とを対比.

(UK)
Occupying damp woodland and plantations, this species is scarcely distributed throughout England and Wales, and rare in Ireland.

Google
占領湿った森林や植物います、この種のほとんどイングランドウェールズでは、配布されているアイルランドでは珍しい。

YAHOO!)
湿っぽい森林地帯を占める、そして、 プランテーション、この種はイングランドウェールズ中至る所にほとんど配布されなくてアイルランドで珍しいです。

 いるかいないかと言えば,いないのである.
 この蛾はイギリスでは希少種になっているらしく,「UK BAP」(=Biodiversty Action Plan,生物多様性行動計画)では対象生物に指定されている(「Action plan for Hydrelia sylvata」).
 一部を拙訳.

現状
イギリスにおいて,キスジハイイロナミシャクの分布は非常に局地的になっており,1980以後の記録は主に5つの地域に集中している.(…)
さかのぼってみれば,この種はイングランドウェールズの大部分で記録されていたのであって,種の減少は,広範囲に渡って雑木林の積極的な管理が行われなくなったことに伴っている.


絶滅・減少の原因となる現在の要因
平地における伐採作業の減少による,雑木林の荒廃.
針葉樹を新たに植えることによる,広葉樹林の減少.


助言
土地所有者と管理者に対し,この種の存在と,その保護に有益な管理方法をアドバイスせよ.

 日本なら里山と表現されるのだろうか,森や林に人の手が入らなくなって荒れているのはイギリスでも同じようだ.
 「UK Moths」の続き.

(UK)
A dusky-brown variation occurs in a restricted locality in Kent, and has been named ab. goodwini .

Google
暗褐色の変動ケントの制限地域は、アルバータが発生すると命名されました。 goodwini 。

YAHOO!
暗い茶色変化はケントの制限された場所で起こって、腹筋という名のした。goodwini。

 「ab.」が難しく,何の略語だか分からなかった模様.亜種をさすのだろう.
 ※勉強不足.正しくは「異常型」.
 「goodwini」はおそらくGoodwin氏(わたしには不詳)に献じられたものだろう.