ナミシャク特集(32),マダラコバネナミシャク.
画像は「Flickr」にうpしたものをこちらにリンクして貼っているわけだが,ナミシャクを始めてから,その「photostream」(どういう日本語に訳せるのかさっぱり見当がつかない)が夢のように地味なことになっている.もしも通りすがりの人がこれを目にしたなら,どうしてこんな蛾ばかり並んでいるのか不審に思うだろう.
このブログにしても,もはや,よっぽどディープな人々しか関心を示さない性質のものになってしまっていることをひしひしと感じております.
c⌒っ*゚д゚)っ ナルヨウニナレ!
そういうのがまだ続く.月半ばには少しは白いのや黄色いのやを取り上げることができると思う.それまでの辛抱である.
今回はマダラコバネナミシャク.地味なだけではなく,擦れっぽい画像しか持ち合わせがない.話題もあまりない.学名で検索をかけてもリストぐらいしかヒットしない.
東アジア北部の蛾らしいので仕方ないらしい.
08年05月25日.前翅長16mm.
(;゚д゚)ジミダ…
図鑑の記述も似たり寄ったり.講談社『蛾類大図鑑』が最も詳しい.
かなり大型で,ことに♀は大きい.前翅の中横帯と外横帯は赤褐色.その内外には紫黒色帯があり,1A脈上は翅の中央で黒色短線となる.
(p.465)
- コメント1:「その内外」とは,「中横線の内と,外横線の外」であるらしい.
- コメント2:「1A脈」とは業界用語で,Aclerisさんの「写真で見る昆虫用語 蛾について」の「翅脈名称(カブラヤガ)」参照(この画像は「ある蛾屋の記録」の「基本用語集」にも転載されている).Aは「臀脈」を指す.要するにとまっている状態で胴体寄りの方.
この程度の特徴があって近似種がいなければジミでも何とかなる.
マダラコバネナミシャクの学名は Trichopteryx ussurica .属名は例によって「毛深い翅」.
種小名は「ウスリー地方の」.「-icus」というのは地名・所属を示す接尾辞.
ウスリーといえば,中露国境地帯である.この蛾が命名されたのは1927年の金融恐慌の年.翌年には張作霖爆殺がおこり,満州国建国は1932年である.そういう時代のそういう蛾である.