ナミシャク特集(38).(オオ/△)ネグロウスベニナミシャク.

 土日は「大○入試セ○ター試験」であるが,もちろんわたしは受験生ではない.
 ところが職場待機である.何かトラブルの連絡があった時に地方当局に連絡する係であるらしい.というわけで休日出勤を命じられているらしいのだが(文書にそう明記されている訳ではないが,どう考えてもそうするしかない),何の手当も保障もないない.ようするに只働きである.当局からしてこんな調子なのだから,民間でサービス時間外がまかり通るのもトーゼンである.やっぱり赤色革命だな.さあみんなで声をあわせて,「ブルジョワに死を!」(どうせ誰だって結局は死ぬんだけどさ).
 ところで受験生におかれましては頑張ってくださいね.なんやかんや言って,勉強したいことが何かあるのなら,偏差値の高い所を目指すべきである.


 そういえば.Emmetの学名本の続き.
 以前からマイマイガの学名である Lymantria dispar の種小名「異なった」に首をひねっていたのだが,これは「♂♀で色が違うことを命名者のリンネが述べている」いるらしい.素人には分からんなあ.
 この本はラテン語の解釈からもう一歩踏み込んでいるので色々おもしろい.


 今日のナミシャクは(オオ/△)ネグロウスベニナミシャク.△は空欄のつもり.要するに「オオネグロウスベニスジナミシャク」か「ネグロウスベニナミシャク」かどちらかということ.
(オオ/△)ネグロウスベニナミシャク Photoscotosia sp. 
 08年10月04日.前翅長25mm.大きめの蛾である.
 「オオ」と「△」とどう違うかというと,「みんな蛾」から.

ネグロウスベニナミシャクに似るが、確実な区別点は前翅裏面の外横線の前縁部付近の状態が本種は黒斑をなす。ちょっと前までの図鑑類でネグロウスベニナミシャクとして出ている写真はほとんど本種。
オオネグロウスベニスジナミシャク

オオネグロウスベニナミシャクに似るが、確実な区別点は前翅裏面の外横線の前縁部付近の状態が本種は帯状。また本種はオオネグロウスベニナミシャクよりも淡色で小型が多い。
ネグロウスベニナミシャク

 裏面が勝負とあっては,生態写真オンリーのわたしとしては同定不能.詳細な分類は標本を作る人にまかせるしかない.
 「見取り(ウォッチング)」の立場からすれば,同じ蛾でしかない.灯火に訪れる蛾を楽しむ上ではあまりにも細かな区別にこだわることはないようにも思う.


 これもどちらなのか分からない.色の濃い個体.
(オオ/△)ネグロウスベニナミシャク Photoscotosia sp.
(オオ/△)ネグロウスベニナミシャク Photoscotosia sp.
 08年10月28日.前翅長23mm.ナミシャクは概してあまりカワイクナイ.


 (オオ/△)ネグロウスベニスジナミシャクの属名は Photoscotosia .「phōs (昼の)光」+「skotōsis 暗くなること」.翅の模様から連想したものか.