ナミシャク特集(46).キベリシロナミシャク.
わたしも人の子であって(イエスとは無関係である),醤油で煮染めたようなナミシャクがいつ果てるともなく続いてユウウツだったが,白っぽい蛾に移って気持ちがずいぶん楽になった.
蝶を愛する人々の多いことを少しだけ理解できるように思う.
Gandaritis属の「シロナミシャク」の2種目.
キベリシロナミシャク.08年08月18日.前翅長14mm.
翅の白黒模様は前回のツマキシロナミシャクと同系統.薄墨を流したようなツマキシロよりも黒紋が紋になっている.黄色い腹背に四角の黒紋列.さらに外縁部の毛が黄色になっているのが最大の特徴.
もっともこの「黄縁」は擦れたりあせたりしていることが多いようだ.
同日だが,黒紋模様をよく見ると別個体なのが分かる.キベリが明確ではない.
キベリシロナミシャクの学名は Gandaritis placida .属名は「ガンダーラ地方の」.種小名は「柔和な,穏和な」.
「Lepidoptera and some other life forms」をあちこち調べてみると,この蛾も19世紀にはエダシャクの,例のAbraxas属でスタート*1している.それはそう見えるだろうな.その後,ナミシャクのEucosmabraxas(「姿の良い*2アブラクサス属」)属へ.現在はツマキシロ同様にGandaritis属に編入された蛾である.
つくづく「属」というのはやっかい.(;つД`) .
もう1枚.
07年08月27日.前翅長16mm.
なかなか良い蛾である.
こうやって画像を見返すとなるほど「イカリ肩」だ.アブラクサスの翅型ではないなあ.