糖蜜初日.ホシオビキリガ.テンスジキリガ.イチゴキリガ.
朝.空気が少し曇っている.雅語でいえば朝霞だし,端的にいえばガスである.これで苫小牧も春に突入した.これから毎日のようにじめじめした薄ら寒い日が続くのだろう.こういうのが苫小牧の春である.
でも虫は出てくる.今日は糖蜜日和… に違いない.
退勤時間とともに電光石火で帰宅.砂糖を煮る.焼酎と酢.
17:30出撃.
錦大沼公園
まだまだ明るい.春の糖蜜は夕方に仕掛けて日没後すぐに蛾チェックするのが最も効率がよい.夜が更けると寒い.
糖蜜を詰めた霧吹き.カップ麺の揚げサイズに切った脱脂綿を4枚.解け残っている雪を踏んで,樹に綿を止めて,糖蜜を吹き付ける.スプレーしすぎるので樹幹に糖蜜が流れ出す.脱脂綿の意味があまりないのだが,少ないと不安なのである.
30分ほど近所のホームセンターで時間つぶし.公園へ舞い戻る.
最初に仕掛けた樹.1頭いたいたいたいた.
ホシオビキリガ.前翅長18mm.脱脂綿の方ではなく流れ落ちた蜜に来ている.昨年の経験では,この蛾が春キリガの先兵である.
この樹はこの1頭.次の樹へ.
ここにもいるいる.5頭いる.
ホシオビキリガのゴマダラ型.前翅長18mm.どれもこれもこのサイズらしい.
こちらは翅を強く重ねた個体.同じホシオビでも感じが違ってくる.
1頭混じっていたテンスジキリガ.前翅長17mm.
都合ホシオビ4頭,テンスジ1頭.
3本目の樹.
こちらはホシオビ3頭,テンスジ1頭.概してテンスジは少なめなのが通例.
4本目.ここでもキリガの千客万来.
イチゴキリガ.大きめのキリガ.腹部が虎じま.横から撮ろうとすると逃げた.
その他はホシオビが3頭.斜め横から3連発で.
気温が低い時期の蛾,特にキリガはむくむくむくむくしていて可愛らしい.
しばらく時間をおいて新しい蛾の飛来を待つこともできるのだが,今日はとりあえず満足.脱脂綿を回収して撤退する.
あまり粘ると鹿が出てきて糖蜜綿をかじるような気がする.鹿ならまだいいが,クマに嗅ぎつけられると非常にまずい.クマと戦う勇気も,蛾撮りに命を掛ける使命感も,わたしは持ち合わせていない.