トリバガの類.ホソガの類.ウスベニスジナミシャク.スモモキリガ.
20時出撃.今夜は叢雲.気温10℃.
錦大沼公園駐車場
●シタコバネナミシャク(15).ホソバキリガ?(18).
小型の蛾が数頭飛ぶ.
アルテン温泉看板
コバネナミシャクは種の確認前に逃走.
トリバガの類.トリバガとしては大きい.
前翅長12mm.翅の模様の情報があまりにも不足.同定不能.
これも同定できない蛾.
7mm.この留まり方はスガ科やその周辺に多く見られるスタイル.
探してみると「みんな蛾」の「ホソバコスガ」に似ているが,こういうミクロ蛾が絵合わせで何とかなるとは思えない.とりあえず「スガの類」で整理.
●アトジロエダシャク(19).
覚生川通り
まず落ち蛾.
スモモキリガ.21mm.
ほとんど消えている亜外縁線部の点列の,中頃の2つが消え残っているのが特徴.
スモモキリガの学名は Anorthoa munda .ホソバキリガと同属.
属名については再掲で.属名はレキシコンを引いて,「anorthoō」由来.「set up again」とか「restore」とか書いてある.「立て直す」「再建する」である.「まっすぐに直す」という訳語もつけられる.この属はスモモキリガに代表されるのだが,どういう訳を当ててみても命名の意は計りがたい.
http://d.hatena.ne.jp/yyzz2/20090427/p1種小名は「清潔な,秩序正しい,優雅な」.ラテン語の"mundus"はそのまま名詞としても用いられ,「世界,宇宙」の意を持つ.ギリシア語の"kosmos"と同じ事情である.コスモスの訳語としてローマに取り入れられたものかもしれない.
さて,電柱シリーズ.
右上がウスバキエダシャク,左下がムラサキエダシャク,左側はナミシャクだけど画像が悪くて分からない.
これはオオクロオビナミシャク.
これが分からない.「ある蛾屋の記録」の蛾LOVEさんに掲示板で同定を泣きついて,マダラコバネナミシャクということに.
その他,ウスベニスジナミシャク*2.チャイロキリガ*1.
今のところ,望遠レンズが欲しいという気持ちは起こっていない.
温泉駐車場
●ウスベニスジナミシャク(14).
駐車場に蛾が落ち始めると,車に轢かれる蛾が出てくる.
ねじれた前翅に白い紋が見える.エゾミツボシキリガだろう.19mm.おそらく走っている車にはじかれたもの.
ウスベニスジナミシャク.15mm.まだ緑の濃い,羽化して日のない個体.こちらは車輪で上から踏まれたとおぼしい.
どうしようもない.照明をナトリウムランプや紫外線カットに変えたところで,誘引される虫はそれでもいる.そもそも管理側は駐車場に飛来する虫に経費をかけはしないだろう.根本的には「(夜に目が利かない)人間が夜に活動するのがおかしい」ということでしかない.
エゾミツボシのところに引き返して接写する.
誰もがこうやって死ぬのだと思う.これはむしろ,まだしも良い死であるかもしれない.
当ブログは生命の喜びを歌うものではないだろう.
生は相互に排除し喰い殺しあう,苦しみを産出する呪いのようなものでしかない.だからこそインド思想は生命そのものの根本的な断滅について思考したのである.生と死については考えることが多ければ多いほど,それだけより善いのだろう.