シロテンシャチホコ.イボタガ.オナガミズアオ.シロシタコバネナミシャク? シタコバネナミシャク.オオクロオビナミシャク.ハマキガの類.ルリモンエダシャク.トビマダラシャチホコ.
玄関を出るとかすかに潮の香りがする.風らしい風はほとんどない.空気が南からゆっくりと流れてきてよどんでいるのだろう.20時少し過ぎ出撃.晴れ.
錦大沼公園駐車場
シロテンシャチホコ.17mm.
学名は Ellida viridimixta .昨夜のクロテンと同属である.“Ellida”はわたしの力では分からなかった.女性名のようにも思う.種小名は「緑色が混ざっている」.
ヒメカレハの死骸(後述)を撮っていて,目線を下げていたので見つけることができた.トイレの壁の地面すれすれの所.
イボタガ.前回撮れたのは2006年.07年は翅だけ,08年は飛んでいるの見ただけだったから,3年振りにカメラに収めることができた.
複雑な模様で強い印象を与える代表的な春蛾だが,その旬は極めて短い.苫小牧では5月後半のピンポイント.幸運としか言いようがなかった.
シャッターに怒って翅を広げた.前翅長は49mm.ノギスを近づけたので一層不機嫌である.
毛並みもなかなか良い.
イボタガの学名は Brahmaea japonica .属名はインドの最高神の一人「ブラフマー(梵天)」から(「ブラフマー - Wikipedia」参照).マダラエダシャク属(Abraxas)がグノーシスの光と闇のあわいから生み出されてきたものであるように,イボタガもまた霊音オームの重なり合い響き合う声のはざまから生まれてきたものなのに違いない.
種小名は「日本の」.
ちなみに台湾の虫サイト「ガガ昆虫網」を見ると,台湾ではイボタガを「枯球籮紋蛾」(見た目だな)とか「水蠟蛾」(イボタのこと)とよぶ模様.
『大図鑑』では次のよう.旧熱帯の小さな科で,アフリカに1属約10種,イタリア南端に1属1種,インド−マレーから東北アジアに1属5−6種産する.(p.586)
というわけで画像探し.
- 「イタリア南端」というのは,“Acanthobrahmaea europaea”種.画像は「File:Acanthobrahmaea europaea.jpg - Wikimedia Commons」.
- トルコには“Brahmaea ledereri christophi”種がいる.画像は「http://wildsilkmoth-indonesia.com/pic2/br_chr.html」.これは眼状紋がないので(´・ω・`)ショボーンである.
いつの間にか,美麗種がもう1頭飛来していた.
新鮮なキャベツの葉を1枚はがした時のように山型に湾曲した前のめりのスタイルになるのがオナガミズアオの特徴らしい.触角も緑味が強いし,オナガミズアオということでFA.前翅長49mm.小振りの個体.
アルテン馬場駐車場,収穫なし.
アルテン温泉看板
こちらはシタコバネナミシャクの黒紋型.前翅長15mm.
この黒紋型については蛾LOVEさんにお世話になった.06年5月4日記事参照.(その後,がいすとさんからも「黒紋の個体がいるようだが,亜種というわけではない」という趣旨のコメントをいただいている).
足元にはオオクロオビナミシャク.16mm.
明るさ調整で苦労.カメラが変わって,困っているのはとりあえずそれだけである.
●コナガ*2(8・×).
○7mm程度のハマキガ.
温泉駐車場
●マダラコバネナミシャク(17).シタコバネナミシャク(×).
これも春後半のシャチホコだ.
トビマダラシャチホコ.23mm.
蛾が変わってきた.週始めに続いた雨で季節は春前半から,春の後半へと移行したようだ.