5月のアクセス解析.6月3日の補遺画像.オオハガタナミシャク.ヒメカレハ.ハネナガブドウスズメ.

 アクセス解析を眺めると,当ブログのリピーターをされている一部の特殊な数寄者の方々がどうやら20名弱.ミリメートル単位ならカバキリガの前翅長ほど.
 残りは単語検索や画像検索(後者が多い)で来られる一見さんたちである.彼らは季節に対応した数的変動を示し,冬に減少し夏に増加する.1日あたりの差はオナガミズアオの開帳よりも大きい.
 いかに一般の人々が冬期間に虫のことを考えないかがよく分かる. というわけで,先月5月は例年なら,まだアクセスが十分には伸びない時期である.ところが,今年は違った.夏並みのアクセスがあって,まだ先だと思っていた10万ヒットをクリアしてしまった.


 当ブログが人々に広く浸透してきたのではなく,要するに「マイマイガ」である.先月の単語「マイマイガ」検索は,全体の約22%を占めた.とんでもないなあ.そのほとんどが「駆除」「対策」「殺虫剤」「薬剤」の語とセットになっている.
 今年もかなりの発生を見せているようだ.岩手に顕著な模様で,2ちゃんに多くのスレがたったりしている.苫小牧では港湾組合の駆除によってマイマイガは目立たないが,近隣の追分町では多いとの情報が入った.
 あれだけ昨年いたのだから当然産卵しているわけで,それは幼虫が沢山出てきても当然である.根拠も何もないが,おそらく何らかの機制が働いて成虫になる歩留まりは昨年よりも落ちるに違いない.正常な範囲での大発生なら数年で自然に収束する.何回も書いているように,過剰な人為的駆除は次回の異常な大発生のトリガーにしかならないと思う.


 「駆除」に関する人々の情熱には偉大なものがあって,アクセス解析を|д゚)カンサツするだけで,人々があらゆるものを駆除したいと考えているのが分かる.
 「コナガ」や「ハマキガ」はちょっと考えれば理解の範囲内.さらに「マエアカスカシノメイガ 駆除」(一応,道の森林総合研究所のサイト「北海道森林害虫図鑑」には記載されている),「ヒシバッタ 駆除」(ビニールハウスに入り込むらしい),「サクラケンモン 駆除」(リンゴ果樹に来る)などなど.なるほど古代インド人が農業に殺戮を見いだしたのは全く適切である.
 さらに「ヒトスジマダラエダシャク 駆除」(庭木を坊主にされると景観的に好ましくない),「カワゲラ 駆除」(不快害虫らしい.そもそも駆除しようがない.窓を網戸にすればいいだけだと思う),「ヒメハナバチ 駆除」(攻撃性のないハチをどうして?)….


 というわけで,当ブログではスズメバチ以外の駆除ネタは扱いませんので.(それだって隣家からの苦情が嫌なだけ)


 風邪っぽくてダウン.
 昨日(6月3日夜)の没画像を放出.

 「ハガタナミシャク」よりも小さいので一部で有名な「オオハガタナミシャク」.
オオハガタナミシャク Ecliptopera umbrosaria
オオハガタナミシャク Ecliptopera umbrosaria
 前翅長13mm.ハガタナミシャクは20mmほどである.

 ヒメカレハの斜めアングル.トリミングで切り出し.
ヒメカレハ Phyllodesma japonicus
 24mm.

 ハネナガブドウスズメの普通の画像.
ハネナガブドウスズメ Acosmeryx naga
 前翅長38mm.こういう画像はもう飽きています.だって,こいつは毎晩のように出てくるのである.そのうち,翅の一部分の拡大画像とか貼り始めるに違いないです.