ホソバシャチホコ。

 また中国で暴動が起きている。こういうニュースに出会うたびに,人間はつくづくダメだと思う。新聞やTVが厭わしい。社会の出来事から関心を完全に切り離して,虫や古典や宗教のことばかり考えていられればどんなに素晴らしいだろう。


 体調はどうにもおかしい。自分でもこれは妙だと考えはじめた。糖尿の症状ではなさそう。自律神経がやられているのかもしれない。母も妹もそちらの方で薬を飲んでいる人間である。わたしも遺伝的に弱いのかもしれない。もしそうだとしても,何か対策を取れるわけでもない。行けるところまで走るしかない状況にわたしはいる。倒れるまではおそらく逃げられない。
 午後からの作業はアリナミン6錠で乗り切った。


 虫撮りはパス。せっかくだから,蔵出し画像。
ホソバシャチホコ Fentonia ocypete
 6月28日。ホソバシャチホコ。22mm。
 せっかくだから書きかけの「ホカイドの蛾の学名」から貼っておく。

シャチホコガ科
Fentonia属
命名】 Butler, 1881
【タイプ種】 Fentonia laevis[ocypete種のシノニム]
 固有名詞Fentonに属格を作る語尾 -ia がついたもの。
 Fentonはおそらく人名。横浜で採集された蛾の標本が用いられていることから,明治のはじめ東京開成学校(後の東京大学)の外国人英語教師だったMontague Arthur Fentonに献じられたものだろう。
 Fentonは日本各地で蝶の採集を行い,カラスシジミの日本亜種名(Strymonidia w-aibum fentoni)にもその名を残している(平嶋,NTG)。

【和名】 ホソバシャチホコ
【学名】 Fentonia ocypete
命名】 (Bremer, 1861)
[希]Ôkupetê オーキュペテー。ギリシア神話におけるハルピュイアイ(Harpuiai 旋風の精,単数ではハルピュイア)たちの次女の名で,「速く飛ぶ者」の意。彼女らは人面の怪鳥としてしばしば描かれる。
 命名者のBremerは,この蛾をHarpyia属に分類している。そこからの名付けだろう。日本でのハルピュイア属は,たとえばギンシャチホコ