「じょじょ」再探訪(2)。

(承前)
 折しも,店内ではyubaさん直々の写真展開催中。


 ジンガサくん。虫に取り立てて関心のない人は,案外こんな程度の奴だって知らないんだよなあ。

 眼デジを購入して,yubaさんは虫の撮り方が変わってきたと言う。これまでは全体の姿を撮るようにしていたものが,どんどん部分に寄って接写するようになってきたとのこと。そりゃあアップで撮り出すと面白いですよ。

 鮮やかな植物の緑。ちょっとだけハムシ。
 圧倒的な楽しい空間。植物や昆虫たちをマクロの眼で見ることに親しんでいる人なら心が躍るはず。


 あれ,蛾がいないなあ。やっぱり人々の偏見があって,飲食店の営業的には,はばかられるのかなと思いながら上を見上げると,いた。

 天井に… ハマキガ。
 あー,いるいる。


 Σ(゚д゚)。

 とんでもないなあ。苦手な人にとっては,この下で食事などできたものではないと思われるが,普通の人々は天井の蛾たちに結構気づかないそうである。
 すぐに天井やらに無意識に目が行ってしまうのは虫屋の病気だから,なるほど病人と健康な人との棲み分けとしては適切な処置である。上手いこと考えたもの。


 同じ写真がありますよと言って,yubaさんが箱を取り出す。

 宝の箱というかパンドラの箱というか。そもそもわたしはシンジュサンは未見である。 中から出てきたのは,ブログ「店主のひとり言」の記事「蛾ファイル作り」で取り上げられている小さなファイル。

 葉書サイズの写真と解説。文章は質が良い(詩歴30年のわたしが言うのだから間違いないです)。こういう呼吸の深いゆったりした文は,どうしても息の短い下品なわたしには憧れである。


 カウンターの端っこのパソコンにも電源が入る。
 壁紙がいきなりツバメエダシャクのアップ。うーん。大変だなあ。
 蛾のフォルダが複数ある。成虫も幼虫も。yubaさんの画像や,店の常連さんたちから送られた画像や。わたしが未見の蛾もぼちぼち。

 見事にポーズを決めているアケビコノハ。つつくと上手く下翅を見せてくれたという。同じような場面で,わたしは必ず逃走されている。


 コーヒーをお代わりして時間がたちまち過ぎる。電車の時間というわけでいとまごいを。帰苫は16時半。
 次に来られるのは夏だろうか。その時にはまた新着の蛾像を色々と。
(この項終わり)