身障者スポーツ体験会のその2。

 なかなか虫の記事が続かない。特異な嗜好を持っているに違いない当ブログのリピーター(10人ぐらいはいらっしゃる模様。この程度ならまだ日本は安心である)の方には申し訳ない(@レトリック)。


 午前中の緑ヶ丘がくたびれ儲けだったのは昨日書いた。
 さて午後から,半分が仕事で半分が興味本位。あたしゃあ,これでもボランティア関係の関係者なんである。


 内容は先週の記事の続き。
 例によって正しい情報は「やっぱり苫社協〜苫小牧市社会福祉協議会日記〜」で。

 またこれですよ。セッティングは「車椅子ダーツ」。競技ルールは全く同じ。違いは右側のようにボードが40cm低いこと(173→133cm)だけ。そうしないと上の方に刺さった時に手が届かないのである。ちょっとした工夫で壁は取り払われる。



 相変わらず危険な施設ではある。



 視覚障碍者の卓球。「おん卓球」と言っているので何かと思ったら,“sound-table-tennis”を「音卓球」と訳しているらしい。
 見えないのだからかなり様子が変わってくる。

  • 転がしてネットの下をくぐらせる。40mmのボールを42mmのスキマを通すのだから,ちょっとでもハネたらアウト。ボールの中にオモリが仕込んであるので,ボール自体あまりハネたがらない。
  • ボールのオモリがじゃらじゃら音を立てるので,それを聞いて押し出すようにして打ち返す。眼をつぶって耳を澄ませば,なるほどわたしでも球が右に来てるか左に来ているかくらいは分かる。ラケットもラバーなし。打ったときに音がしないとファールである。妙な回転を掛けると音がしないことがあるらしい。素直に転がす。
  • コートのサイド半分とエンドに堤防がある。打ち返された球がエンドに触れたら負け。横に切れてコートの外にこぼれたり,スマッシュが強すぎてエンドからはじけ飛んでしまうとアウト。

 ようつべに動画があった。関心のある方はどうぞ。http://www.youtube.com/watch?v=UVo4ze0rS98
 なんだか福祉っぽい雰囲気の作り。もっと明るく面白い動画でないとダメである。もっともっと壊れていてもいいのに。

 センターにある鋲。これを触って台に対する自分の位置,さらにラケットをエンドの堤防に沿わせることで体の角度を確認する。


 車椅子バスケットも見せてもらう。
 学生時代の体育の授業でバスケットは,パスがしばしば顔に当たるので大嫌いだった。眼鏡がひん曲がって吹っ飛ぶのは当たり前のことで,しまいには唇を5針縫う始末になって誰もわたしにパスを出さなくなった。嬉しかった。
 それが理由というわけではないが画像なし。(わたし的に)上手いシャッターチャンスがなかったのである。
 床に落ちているボールを拾うときに,車椅子からは手がとどかない場合がある。ボールをスポークに押しつけて,タイヤの回転で持ち上げる。これが最も印象に残った。こういう細かなテクニックが面白い。


 車椅子はさすがに予算的に困難だろうが,音卓球ならば普通の学校の授業に十分に導入できそうに思う。アイマスクをつけて何も見えない中,ひたすら耳を澄まし,気配を読む経験は決して無駄にはならないだろう。
 (それを通じて障碍者への理解を… などと言い出すとおかしなことにきっとなる。上記の動画にもその臭いが少しする。とにかく,まずは「自分が面白いから」から始まらないと物事はダメである)


 というわけで施設の観葉植物の斑。