前半戦。ボウフラ。トビムシ。

 仕事が大変で…というのはいつものことなのだが,その実,わたしが職場で真面目に仕事をしているのを見たことある同僚はごく少ない。そういう巡り合わせなのである。


 職場の裏手に小さなバケツがいくつか置いてあって,それらはわたしが置いたものなのだが,雨が降ると勝手に水がたまって,枯葉が勝手に沈んで,勝手にボウフラがわいてくる。
 その一つを満を持して回収。会議があることなどすっかり忘れてスポイトでのボウフラ吸いに取り組んだ6月末の昼下がりだった。
 眼の焦点が合わないので眼鏡を外し,バケツの水面すれすれに顔を近づけてボウフラを採取する。声をかけてきた同僚は誰もいなかった。わたしが何に取り組んでいるか理解できた者は誰もいなかっただろう。それでも仕事なんて一つもしていないことだけは分かったと思う。
ボウフラ
 これだけ集めてさすがに飽きた。彼らはこの後すぐに熱帯魚の水槽に投入された。


 水面にいた初めて見るトビムシ
トビムシ


 夜の部は明日,この下に更新します。