フタスジカスミカメ。ハマキガの類。アミメナミシャクの類。ナミコブガ。カバイロコブガ。コブガの類。コマバシロコブガ。ハネナガブドウスズメ。シロスジキンウワバ。キクビゴマケンモン。ゴマケンモン。コヨツメアオシャク。アカアシアオシャク。モンシロツマキリエダシャク。シロモンキエダシャク。リンゴツノエダシャク。キマエクロホソバ。クルマスズメ。ハンノケンモン。ギンシャチホコ。シャンハイオエダシャク。

 というわけで,例によってです。安定剤常用者に逆戻り。
 20時半頃に出撃して,死骸だけ探して30分ぐらいで引き上げようと計画。錦大沼公園はスルーする。いきなりアルテンへ。
 空気はガス。


 ・分からないシャクガ。17mm。HP掲示板へ。(´・ω・`)/~~。こういう蛾がブログの更新を遅らせる最大の要因なのである。

 フタスジカスミカメが大量に出てきている。カメムシは好きである。目がくらむ。これで予定が完全に狂う。
フタスジカスミカメ Stenotus binotatus
フタスジカスミカメ Stenotus binotatus
フタスジカスミカメ Stenotus binotatus
 小さい。飛ぶ。沢山。

 ・全身に白いワタをまといつけたアブラムシ。こちらは「カメムシBBS」に依頼

 ハマキガの類。測定前に逃げられる。
ハマキガの類 Choristoneura sp
 サイズが十分にあれば,がいすとさんに以前教えてもらった「リンゴオオハマキ」なのだが…。

 これも同定できない蛾。
アミメナミシャクの類 Eustroma sp
 キアミメナミシャクかミヤマアミメナミシャクのどちらか。詳しくは当ブログ「08-12-03」記事参照。

 コブガ4体。とにかくコブガは夏から秋にかけて多い。


カバイロコブガ Nola aerugula
 おそらくカバイロコブガ。9mm。


ナミコブガ Nola nami
 おそらくナミコブガ。10mm。
 ナミコブガの学名は Nola nami。種小名は日本語の「並」。
 面倒なのは“Nola”の方で,1815年にLeachがしたもの。「ポスト=リンネ」の第一世代である。Emmetは次のように論じている。拙訳。

 Nola は,カンパニアの都市(Pickard他,Macleodによる[訳者註:共にイギリスの蛾の学名の解説書の著者])。わたしは違うと思うが,Suplerはこの名前をラテン語の nolo に由来すると述べている。彼によれば,この名はその白い翅に見られるように貞節を示しているという。しかし,ラテン語から属名を作るのは,固有名詞の場合を除けば異例のことであろう。こちらの方がありそうなことなのだが,Nola が地名であるとすれば,Ochsenheimer[訳者註:彼は学名に地名を多く用いている]に先立つこと1年の,最も早い地名使用の1つであって,そして Leach が地名に由来させた唯一のものである。Leach は,この蛾をハマキガに分類して,彼自身では何の説明も行っていない。
 (『The Scientific Names of the British Lepidoptera - their History and Meaning』,p.194)

 よく分からないということ。
 nola には(ラテン語だけど)「小さな鈴」という意味があって,「bell moth」であるハマキガだったらちょうど良いように思うのは,素人のわたしの意見である。
 平嶋『生物学名辞典』も同じ事を考えたらしく,「Campaniaの町の名」と「小さな鐘,鈴」を併記している(p.96)。


コブガの類 Nola sp
 これは分からない。分からないけどコブガなのは間違いない。


コマバシロコブガ Nolathripa lactaria
 コマバシロコブガ。13mm。幼虫の形態でもってキノカワガから移動してきた蛾。
 白い部分が妙にてかてかした変な蛾である。

 スズメガ2種。


ハネナガブドウスズメ Acosmeryx naga
 ハネナガブドウスズメ
 毎年多いといえば多いのだが,今年は特に。この夜6頭以上。


クルマスズメ Ampelophaga rubiginosa
 やっとクルマスズメ。38mm。


 ・この夜,エゾシモフリスズメ*1。

 思わぬ美麗種。これだから蛾を撮り出すとやめられない。
シロスジキンウワバ Diachrysia zosimi
 シロスジキンウワバ。19mm。

 アオシャク2種。


コヨツメアオシャク Comostola subtiliaria
 コヨツメアオシャク。15mm。この夜もう1頭。


アカアシアオシャク Culpinia diffusa
 アカアシアオシャク。12mm。この角度からしか撮れなかった。

 ふと勘が働いてシャッターを切る。当たり。
キクビゴマケンモン Moma kolthoffi
 帰宅後調べて,初見のキクビゴマケンモン。20mm。


 こちらは純正のゴマケンモン
ゴマケンモン Moma alpium
 17mm。やや褪せた個体。

 ・キタマダラミズメイガ(仮)(×)。
 ・シロケンモン(22),頭が禿げているので没。
 ・アオケンモン(21),色が褪せ気味なので没。


 駐車場では何頭も何頭もセダカシャチホコがのたうち回っている。こちらのいうことを聴かないので,移動させてもきりがない。轢かれたがっているとしか思えない。数多のギンモントガリバもじっとはしているものの,運命は同じである。
 時間が遅くて車が少ないのが命綱。
 しかも,こんなものまで落ちている。
物体
 初見。

 シーズン初物だというだけ。
モンシロツマキリエダシャク Xerodes albonotarius
 モンシロツマキリエダシャク。22mm。

シロモンキエダシャク Parectropis similaria
 自信はないのだけれどもども…… シロモンキエダシャク。17mm。

リンゴツノエダシャク Phthonosema tendinosarium
 リンゴツノエダシャク。28mm。

ハンノケンモン Jocheaera alni
 ハンノケンモン。17mm。(ああ,変な学名だ。そのうちに調べなければ)

キマエクロホソバ Ghoria collitoides
 キマエクロホソバ。21mm。

ギンシャチホコ Harpyia umbrosa
 ギンシャチホコ。もちろん測定できず。

シャンハイオエダシャク Macaria shanghaisaria
 シャンハイオエダシャク。13mm。


 死骸。


翅 オオミズアオ
 オオミズアオの翅。51mm。


死骸 セダカシャチホコ
 セダカシャチホコ。1頭しか死骸が見つからなかったのは奇蹟に近い。


死骸 ハネナガブドウスズメ
 ハネナガブドウスズメ。


 結局,帰宅は22時を回った。