Cocytia・・・。(7)
今日は重役出勤(休日サービス出勤ともいう)。でも仕事が嫌でトランキライザーを飲まないと布団から出られない。
バトラーの「The lepidopterous genus Cocytia」,1884 の3回目。まとめに入る。
見やすいように訳注は赤字で。色覚障碍の人にはかえって不親切な仕様である。
以下は各種について。
1.Cocytia durvillei。
Cocytia durvillei,Boisduval,Mon.Zyg.,p.22,pl.i,fig.1 (1829)。Sp.Gén.Lep.,i.,pl.15,fig.1 (1858)〔リンク先は4日記事で既出〕
〔コーキューティア デュルヴィルイー,ボワデュヴァル,「マダラガ科モノグラフ試論」,22ページ,図版1,図1,1829年。「鱗翅目総覧」第1巻,図版15,図1,1858年〕
雄雌,ニューギニア。雄,ポートモレスビー。雌,ケデュラ〔バトラーは Ké Dulan と記しているが,おそらく Ké Dulah の誤記〕。大英博物館。
*ポートモレスビー(Port Moresby)はパプアニューギニアの首都。
*ケデュラはインドネシアのカイ諸島の島の一つ(Kei Dulah,Wikipedia「Kai Islands」参照)。
2.Cocytia chlorosoma。
Cocytia chlorosoma,Butler,Ann.& Mag.Nat.Hist.,ser.4,vol.15,p.144 (1875)。
〔コーキューティア クローロソーマ,バトラー,「自然誌年会誌」第4期15巻,144ページ,1875年〕
雄,アルー諸島,大英博物館。
この種は雄2体の標本しか所有されていない。
アルー(Aru)諸島については,Wikipedia「Aru Islands」参照。
3.Cocytia veitchii,n.s.〔コーキューティア ヴィーチイー,新種〕。
デュルヴィルイー種と同じ程度の大きさ(翅表前面の欠落があったため,測定したものではない)。しかし,翅の透かしは黄色がかった色となる。
黒い縁取りはクローロソーマ種と同様に狭く,線状の翅脈も同じくそのままの太さで発出する。従って,縁取りの内側はデュルヴィルイー種のような波模様になっていない。
前翅基部のオレンジの紋はデュルヴィルイー種と同じ大きさ,同じ形。
腹部中央は,ニューギニアやアルーの種以上に,メタリックグリーンが金色を帯びる。
バチャン(C.カーティス)。W.ロスチャイルドコレクション。
以上の記述から,この種はデュルヴィルイー種とクローロソーマ種とは黄色い翅において異なっているが,別の観点では中間的な特徴を持つことがわかるだろう。
中間的だからねえ。亜種にされるよね。
さてさて,次回は「Insects abroad」行きます。