タマナヤガ。エゾカギバ。シロテンシャチホコ。トギレエダシャク。リンゴドクガ。アミモンカバナミシャク。キジマエダシャク。クロテンシャチホコ。キンイロキリガ。アカバキリガ。

 単位数の異なる選択授業が組み合わされているカリキュラムにおける,便宜を図った「試験日程」や「特別時間割」の作成は八幡の藪知らずでしかない。徹夜をすると翌日は手が震えることが分かった。まだ続く。明日はトランキライザーを出してもらいに行かねばならない。


 20時半少し前出撃。風は少し弱まった。股引を履き忘れた。気温は8℃。寒い。すぐに帰ってしまおうかとも思う。
 19日に届いた,SIGMAのリングフラッシュのデビュー戦である。重さはコニミノのものとあまり変わらないが,リングが二回りは大きい。光る場所が左右の2箇所。ガイドのライトが貧弱で,懐中電灯代わりにはならないと思う。


<温泉駐車場>
 車から降りて,まず落ち蛾のチェック。

 初見。外縁あたりの模様からタマナヤガと判断。22mm。
タマナヤガ Agrotis ipsilon
 現場ではモクメヤガかと思ったが,サイズが大きい。
 学名は“Agrotis ipsilon”。属名は「草原」,種小名は「ユプシロン」で,これはギリシア文字の「Y」。腎状紋とそこから伸びる黒紋からの命名らしい。標本を用いて命名していることをお忘れなく。

 走るエゾカギバ
エゾカギバ Nordstromia grisearia
 苫小牧で悩むことなく心安らかに蛾撮りをするための3つのドグマ。

  1. 苫小牧には「ヤマトカギバ」はいない。
  2. 苫小牧には「モンキキナミシャク」はいない。
  3. 苫小牧には「キハラゴマダラヒトリ」はいない。

 この3つを呪文のようにいつも唱えていれば,現場における同定ストレスは激減するのである。正しいかどうかは分からない。

 アイドリングするシロテンシャチホコ
シロテンシャチホコ Ellida viridimixta
 結局いつまでも飛び立たない。

 フラッシュについては,やや明るめだが露出との相性は前のものよりも優っている感じ。しかし,ガイドの補助光はシャッターを1回切るごとに消えてしまう。

 キンイロキリガ。測定せず。
キンイロキリガ Clavipalpula aurariae
 移動させようとして手を出すと,自分で飛んでいった。

 ・ルリモンエダシャク*数頭(19・21mm,他)。

 アカバキリガ。20mm。
アカバキリガ Orthosia carnipennis
 この夜もう1頭。移動させるがかなり弱っていた。


<温泉看板>

 わたしには珍しい。
トギレエダシャク Protalcis concinnata
 トギレエダシャク。18mm。もちろん♂である。

 リンゴドクガ。20mm。これも♂。
リンゴドクガ Calliteara pseudabietis
 ♀はもっと大きくて,暗色帯が不明瞭である。
 この夜もう1頭(23mm)。

 現場では「シロホシ」と誤認。
キジマエダシャク Arichanna tetrica
 調べ直して,キジマエダシャク。18mm。初見蛾。

 白点黒点は同時に見られることが多い。
クロテンシャチホコ Ellida branickii
 クロテンシャチホコ。21mm。
 フラッシュを使いこなせていない。


<馬場駐車場>
 蛾影薄い。カエルやオオジシギの声が遠くから聞こえてくる。

 横脈紋がいやに発達したカバナミシャク。ゴミナミとはいえ,明らかに初見。
アミモンカバナミシャク Eupithecia insigniata
 帰宅後『標準図鑑』。アミモンカバナミシャク。12mm。

 結局,この夜は初見蛾が3頭。もう見られるものは見てしまったと思っていたが,そうとばかりではないようだ。


 今夜の死骸。
死骸
死骸
 2つとも大きめ。後者はクチバスズメだろうか。