ネグロハマキ。ナカモンキナミシャク。ゴミムシの類。ユミモンシャチホコ。

 陽がさす日は15℃を越える。午前中はボランティア関係で生徒を引き連れて老人保健施設で打ち合わせ。露骨に顔に出すことはほとんどなくなったが,やはり生身(生きて動いている)の人間はあまり好きではない。関心はあるが,言葉の情報だけで充分である。場違いな気分のまま,人格の尊厳の根拠付けのことなど考えていた。
 午後からは自分の時間。


 糖蜜をやってみようかと思いついた。キリガの時期は終わっているが,灯火にあまり飛来しないたぐいのシャクガが引っかかるかもしれない。
 日が長い。19時ではまだ全然明るい。20時少し前に錦大沼公園で仕込みを完了。

アルテン温泉看板

 時間つぶし。
 ・マイコトラガがいたが,ライトの真下で写真にならず。

 同定にこだわらなければ,ハマキの方がずっと面白い。
ネグロハマキ Acleris nigriradix
 10mm。この模様にはかすかに記憶がある。
ネグロハマキ Acleris nigriradix
 帰宅後,大図鑑で調べておそらくネグロハマキ
 きたる標準図鑑ではハマキの個体変異はどのくらいまだカバーされるのだろう。

 黒いものがいるので顔を近づけて見ると,毛虫である。あちこちにいる。探さなくても6頭ほどはすぐに目に入った。
毛虫毛虫
 じっとしていないので上手く撮れない。伸びたり,縮んだり,くねったりするので上手く測れない。3〜4mm。
 マイマイガとは違うが,背中に赤斑があるのでドクガ系に思われる。電柱を上ったって何も良いことは待っていないと思うが,あるいはそこから糸を出して飛行するのかもしれない。

 ・セブトエダシャク(23mm)。

温泉駐車場

 車の出入りが多い。集中力の欠落したわたしは何回もぶつけそうになる。人々はわたしの車を視認次第,ただちに回避行動に移るべきである。

 ナカモンキナミシャク。17mm。
ナカモンキナミシャク Idiotephria evanescens
ナカモンキナミシャク Idiotephria evanescens
 この蛾はまず手に乗ってこない。追っ払う形で危険地帯から移動させる。

 黒い甲虫が走っている。フラッシュを1発当てたら固まってしまった。後は撮り放題である。
ゴミムシの類
 体長22mmほど。オサムシじゃないな。ゴミムシの類。
ゴミムシの類
 こういう虫はわたしにはアウト。「日本のゴミムシ」のKUMAさんに訊きでもしないとダメだろうな。

 遠目には木くずに見える。この蛾が木くずに擬態しているのではなく,木くずがこの蛾に擬態していると考えた方がよい。いわゆる「偽態」とよばれる現象である。
 偽態にはほとんど何の機能もないだろうが,自然は同じ形態を随所に反復する性質がある。
ユミモンシャチホコ Ellida arcuata
 ユミモンシャチホコ。27mmだから大きい。
ユミモンシャチホコ Ellida arcuata
 目が下付き。落ちているお金を探すには丁度よい。


 さて,本題の糖蜜は見事スカ。まあそんなもの。


 時間を少しさかのぼる。ほぼ快晴の星空。からす座を見るのは久しぶりだった。目を上げると,しし座を金星なみの明るさの星が通り抜けていく。人工衛星はお馴染みだが,これほどのものは初めて。イリジウム衛星に違いない。しし座を横断後,うしかいのアークトゥルス手前で急激に減光して見えなくなった。
 帰宅後調べる。どうやら http://www.heavens-above.com/flaredetails.asp?SatID=24793&lat=42.63334&lng=141.6&alt=7&loc=Tomakomai&TZ=JapST&Date=41048.4605683721&Mirror=2 であるらしい。