「みちのく会 in 札幌」私的レポ無気力幹事編(1/6)。2月23日。開幕以前のホテル。

 というわけで,2月23日土曜日。垂涎の「みちのく会」である。


 初めての人もいるかもしれないので,「みちのく会」について簡単に説明しておこう。
 「みちのく会」とは東北・北海道ブロックの蛾屋さんどもが集まって,蛾の標本をながめたり,蛾の話に盛り上がったり,蛾の標本を持ってうろうろしたり,蛾の話をしたり,蛾のことを考えながら何か食べてやたら酔っぱらったり,蛾のオークションをしながらどんどんビールを飲んだり,酔えば酔うほど蛾のことばかりになったり,頭が蛾なので珍味を食べ散らかしたり焼酎のビンをひっくり返したり,蛾の標本に群がって何かを主張していたり,やたら指さしていたり,わたしにはとてもついて行けなかったり,ましてやトイレに行ったり作戦を立てたり秘密兵器が披露されたりする,ほぼそんな会合である。雑駁な説明だが分かる人しか分からないはずである。


 今回は場所を札幌に移す。トマコマイ在のわたしにとってはとても楽である。交通費も休日割引のJRの往復券で済む。
 というわけで舞い上がって,手伝えることがあったらなどと担当者につい連絡してしまい,あっさり幹事団に組み込まれてしまった。
 メールが来て,<受付>と<オークション会計>をやれとのこと。敵はわたしの社交性の欠如を知らないらしい。どういうことになるか面白いが,おそらくは何とかなるのだろう。


 というわけで当日。トマコマイも札幌も晴れ。内地は大雪で寝台列車がやられているらしい。関わる者すべてにとって不幸なことだが,いつものことである。


 受付開始が14時の予定。11時過ぎにホテル・○○オンに着いた。誰も来ていない。あれれ。

 場所と日にちは間違っていない。
 ロビーの向かいにはライバルの看板が出ている。

 きっと道職員の組織だな。敵に不足はない。むしろこのホテル自体がそもそもその筋の施設であって,向こうのホームグラウンドみたいなものであろ。形勢不利かもしれない。


 すでに部屋にはライトトラップの準備ができている。

 この階はエレベーターとトイレと物置部屋と「退」ジルシばかりで,何だかなあの4Fである。


 「仲間はずれを探せ」。


 「自由というのは奴隷でないこと」と高校生には教えている。

 せっかくだからブレインストーミングを試みるが,何も浮かんでこない。


 ソファに沈んでラテン語の名詞活用を頭の中でグルグルしていると,元開拓者で雑甲とゼフのHさんが現れた。雪が多いとかいう会話。わたしの社交性ではそれ以上の発展は難しい。
 幹事団の方々がやってきたのが12時過ぎ。1Fの食堂あたりで待ち伏せを掛けていたらしい。虫屋は採集ポイントを決めてトラップを張るのが万事習性になっているらしい。

(続く)