ヒゲナガカワトビケラ。ケバエの類。コガネムシの類。カバナミシャクの類。

 明日から天気が数日間崩れると,天気予報で何度も繰り返す(こんなネタが分かる読者はほとんどいないだろうな)。仕方ない(わたしが何か行動を起こすときの決まり文句である)。しんどいけど出撃しよう(やめればいいのに)。


 ガスはわずか。昨夜が異常である。空には月も星も見えない。


 錦大沼公園駐車場,収穫なし。時間が早い? 20時ちょいである。


【アルテン温泉看板】
 蛾影なし。

 ヒゲナガカワトビケラ。翅長21mm。
ヒゲナガカワトビケラ Stenopsyche marmorata
 年に3回くらいピークがある。
 学名は Stenopsyche marmorata。属名はギリシア語から。「stenos(狭い,細い)」+「psychê」。“psychê”はこちらの業界では「魂」とか「精神」に決まっているのだが,この場合は「蝶,蛾」の意味だろう。「細蛾」。そんな蛾がすでにいたような。でもトビケラはやっぱり蛾に見える。
 「魂」と「蝶,蛾」との関係は,以前「07年7月6日記事」で触れている。長いけれど再掲。まだわたしが元気だった頃の文章。

 ちょうどMatszさんのブログ「トンボと蛾の日々」でヒョウモンエダシャク(わたしは未見である)が取り上げられていて(7月7日記事「百蛾夜行 第四巻」),

ヒョウモンエダシャクはチョウっぽいメジャー感の漂う蛾だが、よくよく見ると、前翅は白地に墨を吐いたような色合いである。墨の黒という色と白の織りなす色世界は幽霊画などにも見られるが何ともいえず不気味でその配色を見ると本能的に恐怖感を感じる。美しくもあるが怖さも持った蛾と感じる。

 蝶や蛾は人間の魂が姿を変えたもの,あるいは魂を「向こう側」に導くものと見なされたという.例えば,高橋秀元「ISIS立紙篇・言葉の景色」02年5月1日記事から.

 日本においても、蝶や蛾は魂の実体と見られていたにちがいない。そのような事実の言語化は避けられていたのだから記録はないが、スクナヒコナ伝説にわずかにあらわれる。スクナヒコナは、オオクニヌシが国造りをするにあたって、その霊魂として遠い彼方の世界から流れついた。この小さな神は植物の茎を船として、「ひむし」(蛾)の皮を着て到来した。その姿はプシュケー(引用者註:ギリシア語で「霊魂」)そのものだ。

 Matszさんの画像の,群がるヒョウモンエダシャクたちは白黒の装束をまとった魂たちのように美しい.人は死ぬとその魂は一度は山に向かうのだろう.
 このミスジシロエダシャクや,先月27日のオオシロエダシャクもまた,向こう側の存在であるように思われる.きっとヒョウモンエダシャクがくっきりした模様を持ったまだ死んでまもない人々を担っているのに対して,このミスジシロエダシャクはもはや生気が希薄になっている向こう側からの来訪者かもしれない.

 ケバエの♂。小さい。
ケバエの類
 自宅あたりでは♀も出てきてせっせと交尾しているという。


【馬場駐車場】
 ・フタホシロエダシャク逃走。

 コガネムシの類。18mm。
コガネムシの類
 ここらはシーズンには足の踏み場もないほどスジコガネだらけになる。その先兵。嫌んなるなあ。
 ※zatouさんから「コクロコガネ」ではとのコメント。どうもありがとうございました。

 ・フトフタオビエダシャク(23)。
 ・マダラコバネナミシャク*2(15・14)。

 偽態。
偽態
 チョウバエに似ているが,サイズが合わない。

 カバナミシャクの類。11mm。
カバナミシャクの類
 もう1頭,落ち蛾で11mm。

 オオジシギがさかんに鳴いている。近くのようだが暗くて姿は見えない。飛びながら鳴いているものもいるようだ。


【温泉駐車場】
 ・カバキリガ(22)。今シーズン最後かもしれない。移動。
 他,数種数頭を移動させたがもはや記憶は失われている。


 ツマアカシャチホコ。今シーズンの轢死頭目
ツマアカシャチホコ