カワゲラの類。クモの類。フタマタフユエダシャク。

 ※5月6日うp。


 ここまでのポイント探索状況。基本方針は苫小牧の時のように「楽に蛾撮りをしたい。(クマが出るような)あまり奥地には入り込みたくない」。駐車場・歩道(舗装されていた方が落ち蛾を探しやすい)が路灯に照らされている場所がいい。

  • えんがる公園および周辺。
    • 近い。毎晩行ける。
    • 雑木林が薄く,多様性が不安。花壇がらみで消毒がキツイかもしれない。
  • 湧別道の駅。
    • 30分弱で許容範囲。
    • 単純に市街地。お話にならない。
  • 瀬戸瀬温泉。
    • ほとんど山の中。環境はおそらく素晴らしい。
    • 30分を超える。まともな路灯や駐車場がない。夜にカメラを持って歩くと我ながら盗撮めく。途中に自販機やライト付き待避所があれば…。

 不安が一杯である。虫が増えてきたら車を走らせて穴場を探さないといけない状況。


 休日。昼。外食をしてその足で,前回空振りに終わった公園へ再挑戦。
 道路の雪はすっかり融けていて,ようやく奥まで入り込めた。めぼしい駐車場に車を置いて歩き回る。いろいろな施設があるが,どれも人の気配はない。


 時々,足下でハリゲコモリグモ群が走る。どれも苫小牧の早春のそれよりも小さい。越冬までの期間が短く,充分に大きく成長できないのかもしれない。


 ドングリの帽子。コナラ…ミズナラ? 針葉樹ばかりでなくてよかった。多様な樹が生えていなければ困る。ヤナギの樹があればもっといい。
ナラの帽子の類


 いたる所に黒曜石の欠片が落ちている。
黒曜石 obsidian
 この地域は田舎なので打製石器が使用されている。


 段になっている坂を下りると用水路がある。周りには雪が残っている。クロカワゲラがまだいるかもしれない。

 橋のたもとの杭。
カワゲラの類
 クロかどうかは分からない。遠軽での第1虫撮りは結局カワゲラになった。いくぶん不本意だが,これからの蛾撮りがどうなるか分からない以上,贅沢はいえない。

 抜け殻。
抜け殻
 これもカワゲラっぽい。

 何か昆虫の砂繭のようなもの。
繭

 残り雪にはまってひどい目にあったので移動。資料館をぐるぐる回って壁をチェックする。

クモの類
 数mmの小さなクモ。ナミコモリのように思ったが違うかもしれない。


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 さて,今度は夜回り。再び公園へ。車のライトに蛾が横切る。飛び方のヘロヘロ具合はシャクガのそれ。
 3箇所に糖蜜を仕掛けるが全然ダメ。風も弱いし,条件は悪くないのだが。

 顔を上げた樹幹にシャクガが平然ととまっている。飛び交っていたのはおそらくこいつの仲間とおぼしい。pre-tricopteryx(コバネナミシャク以前)なシャクガはアルテンでは薄かった。この類は見慣れていない。種名の見当が付かない。
フタマタフユエダシャク Larerannis filipjevi
 帰宅後調べて,フタマタフユエダシャクである。ノギス不所持。未見ではないが,苫小牧ではあまり縁のなかった蛾である。走光性が強くないようだ。
 学名は Larerannis filipjevi。属名はおそらく,laros(快い)+ Erannis(チャバネフユエダシャク属)。種小名はおそらく昆虫学者の I. N. Filipjev(1882-1942)から。フィリッピェフと読むらしいから,「フィリッピェフイー」だろう。

 この夜はこれだけ。収穫といえば収穫なのだが,ところでキリガは?