昆虫学史

プリニウス『博物誌』第11巻第7章の邦訳について。

インド帝国の人探しにほとほと倦み疲れて,とりあえずMouffetに浮気中である。目次を読んでいて,ミツバチの巣の分からない用語が出てくる。わたしは「プロポリス」ぐらいしか知らないよ。困ったときにはアリストテレス*1かプリニウスである。少しでも時代が…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その9)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8) 『Lepidoptera Indica』の序文の,協力者リストの続き。 4。 W.S.アトキンソン(William Stephen Atkinson) →William Stephen Atkinson - Wikipedia 1820-1876。ラ・マルティニエール…

番外編。ルネサンス期における芋虫毛虫の分類について。

頭が全く働かない室温30℃の日が数日続いて,突然今朝は気温が25を割った。でたらめである。冬や春は暖房を目一杯かけても20をそこそこなのだから,この土地の気候は心身に極めて悪い。ここで生まれ育った人間はともかく,よそ者であるわたしにはほぼ無…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その8)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7) 『Lepidoptera Indica』の続き。体力がないくせにしつこいのでなかなか終わらない。昨日も「インド帝国の官僚組織」を調べたくて*1amaを4冊分ポチポチしてしまった。それらが届いて,読み終わる…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その7)

(その1)・(その2)・(その3)・(その4)・(その5)・(その6) 『The Lepidoptera of Ceylon』の続き。今回は図版の話。 どれでもいいよね。第2巻のPlate.88。 (拡大はここをクリックして(+)で) Pergesa Actues。この蛾は日本でも沖縄界隈…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その6)

(その1)・(その2)・(その3)・(その4)・(その5) ムーア『The Lepidoptera of Ceylon(セイロンの鱗翅目)』の紹介ということで,「序文」をたらたらと読んでいる途中。 前回は図版の由来の話。今回は出版にいたるまで。 画像は次回になるので…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その5)。

(その1)・(その2)・(その3)・(その4) 遅々としてムーアである。どうなってしまうのだろう。 さてムーアの代表的著作は, 『A catalogue of the lepidopterous insects in the museum of the Hon. East-India company(東インド会社殿の博物館の…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その4)。

(その1)。 (その2)。 (その3) だらだら続いております。まずは前回までの年譜的おさらい。ブログというのは積み上がっていくスタイルなので続き物には向いていないのである。 1848 東インド会社博物館に助手として勤務をはじめる。 1854〜 『東イン…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その3)。

(その1)。 (その2)。 というわけでねえ。諸般の事情でもって,ムーアをゆっくりやろうと思う。 1858年まで来ていたっけ。幾つかの雑誌の記載論文は省略。 さてと。 ムーアの働いていた東インド株式会社博物館は,イギリス本国の植民地支配強化のあおり…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その2)。

(承前)手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その1)。 「その1」をうpした後で,BHL(Biodiversity Heritage Library)のサイトをまた開いて,学会誌へのムーアの報文をぱらぱらと眺め直す。 毎年毎年,色気のない記載文が続いている。マニ…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア(その1)。

どうせなら人と違っていた方がおもしろい。 蛾像ブログも10年前から見ればずいぶんと市民権を得てきたようだ。もっと周辺的な領野に後ずさる頃合いかもしれない。 すでにリンネ分類やら学名やらに手を出していて十分にマイナーなのだが,ますます猟奇的な…